独ランクセスは9月28日、高品質難燃剤と潤滑油添加剤の世界有数のプロバイダーで、米国に拠点を置くケムチュラ・コーポレーション(ケムチュラ社)を買収すると発表した。ランクセスにとって、過去最大の買収となる。
両社はすでに買収に関する契約を締結した。この契約に基づき、ケムチュラ社の株主は発行済普通株式1株当たり33・50米ドルを現金で受け取る。これは9月23日の終値28・18米ドルより18・9%上回る水準となる。
買収額は約24億ユーロで、同社はシニア社債とハイブリッド社債、保有する流動資産で支払う。買収取引はケムチュラ社の株主の承認、規制当局の承認、その他の慣習に基づく買収条件を満たした後、来年半ばに完了する見込み。
フィラデルフィアに本社を置くケムチュラ社は、11ヵ国に20拠点があり、世界で2500人の従業員を擁している。直近の4四半期の売上高は約15億ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは約2億4500万ユーロ(EBITDAマージンは約16%)となる。
ケムチュラ社の売上高の約45%は北米が占めており、同社のポートフォリオは添加剤に加えて、ウレタンと有機金属化合物で構成されている。
ランクセスはケムチュラ社の買収により、買収初年度に1株当たりの利益(EPS)の増加と、2020年までに年間1億ユーロのシナジー効果を見込んでいる。
ランクセスはEV/EBITDA倍率で7倍(シナジー含む)に相当する価格で買収。これはランクセスの売買指標EV/EBITDA倍率7~9倍(シナジー含む)を満たしている。