川口化学工業の2016年11月期第3四半期連結決算は、売上高が46億300万円で前年同期比6・3%減、営業損失は3300万円(前年同期は2200万円の利益)、経常損失は3800万円(同2500万円の利益)となった。
また、保有する福利厚生施設の一部で減損損失を計上したため、四半期純損失は7600万円(同1200万円の損失)となっている。
ゴム薬品については、国内自動車販売台数は前年同期比で回復傾向が見られたものの、国内自動車生産とタイヤ・合成ゴム生産は、第3四半期も前年割れの状態が継続した。
このような環境の下、販売に注力し、工業用ゴム製品向けは前年同期並みの販売数量となったが、タイヤ・合成ゴム向け薬品の販売数量が減少したため、国内は前年同期比で売上が減少した。
輸出は第3四半期に入り、東南アジア経済で一部回復傾向が見られたことから、主力商品を中心に同地域で受注拡大に一層努力した結果、前年同期比で販売数量を伸ばした。しかしながら、第3四半期に入ってさらに円高が進行したことにより、売上については前年同期比で減少した。
この結果、ゴム薬品部門合計の売上高は28億3800万円で同5・9%減となった。
樹脂薬品については、需要家に対し積極的に販売活動を行ったが、国内外のアクリル酸・アクリル酸エステルの生産が低調で推移したことと、輸入品との競合による主要製品の販売減の影響により、国内の売上は減少した。
輸出は厳しい為替環境の下、販売拡大のため新規顧客の開拓と既存顧客との交渉を行った。この結果、販売数量を伸ばした品目はあったものの、輸出全体では、中国をはじめとする既存顧客の稼働が低調に推移するとともに、円高が進行して他国企業との競合が一層激化したことから、売上が減少した。
これにより、樹脂薬品部門合計の売上高は5億4900万円で同15・8%減となった。
中間体については、界面活性剤中間体は顧客の生産が復調したことから、前年同期比で販売数量が増加。染顔料中間体は前年同期比で販売増となった品目もあったが、原材料となる関連製品の需要の減少の影響により、主要品目の販売が低調だったことから、前年同期比で売上が減少した。
農薬中間体は主要品目で顧客の受注減により、全体として売上が減少。医薬中間体・機能性化学品は品目により増減があったが、主要品目で受注獲得に注力し売上増となったことから、前年同期比で売上が増加した。
これらの結果、中間体部門合計の売上高は4億9900万円で同0・2%増となった。
その他については、環境用薬剤は納入先の需要に合わせ生産を行ったが、第2四半期の在庫調整の影響もあり、前年同期比で売上が減少。潤滑油向けは、国内・海外向けとも販売が堅調であったことから、前年同期並みの売上となった。
新規用途向けは新規商品の販売を開始したが、品目により売上に増減があり、主要製品の売上が前年同期比で減少となったことから、全体でも前年同期比で売上が減少した。
これにより、その他部門合計の売上高は7億1700万円で同4・1%減となった。
通期の業績予想については、自動車関連業界の減産の影響、樹脂薬・中間体の一部品目の受注減などにより、各項目で当初予想を下方修正した6月23日の予想を、再び下方修正した。
売上高は62億7500万円で前期比4・9%減、営業利益は1000万円で同510・9%増、経常利益は800万円で同111・6%増、当期純損失は4500万円を見込んでいる。