住友ゴム工業は10月11日、福岡県北九州市の西日本総合展示場で、25~28日に開催されるIRC2016北九州「ゴム・エラストマー技術展」にブース出展すると発表した。
日本ゴム協会主催の同技術展は、原材料・製品・製造・加工機械・試験機器などを扱う様々な企業・団体が先端技術を披露する、ゴム・エラストマー分野で世界有数の展示会。日本での開催は2005年以来、11年ぶり5回目になる。
同社は長期ビジョン「ビジョン2020」で「タイヤが地球環境のために貢献できること」を考え、低燃費性・原材料・省資源という3つの方向性で製品開発に取り組んでいる。
今回のブースでは、その製品開発に関わる最新の技術・研究成果を①新材料開発技術②天然資源の活用③応用技術の活用―の3つのゾーンに分けて展示することで、それぞれの独自技術を分かりやすく紹介する。
新材料開発技術ゾーンでは、大型放射光施設「SPring―8」と大強度陽子加速器施設「J―PARC」、スーパーコンピュータ「京」を連携活用した、ゴムを分子レベルで忠実に再現したシミュレーション解析により、タイヤの相反性能である低燃費・グリップ・耐摩耗性能を大幅に向上できる技術「アドバンスド4Dナノデザイン」の概要と、そこから生みだされる最先端テクノロジーを紹介する。
天然資源の活用ゾーンでは、石炭や石油などの化石資源を全く使用しない世界初の100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100」、経時変化によるタイヤの硬化を抑制する高機能バイオマス材料「しなやか成分」を配合することで、高い氷上性能を長期間維持できる「ウィンターマックス02」など、最新のバイオマス技術を駆使した商品と研究成果を紹介する。
また、新たな天然ゴム資源として着目し、実用化のために研究を行っている「ロシアタンポポ」の展示も行う。
応用技術の活用ゾーンでは、空気充填が不要のためパンクが発生しないエアレスタイヤテクノロジー「ジャイロブレイド」や、タイヤトレッド部の損傷による空気漏れを防ぐシーラントタイヤテクノロジー「コアシール」、空気圧がゼロの状態になっても所定の速度で一定の距離が走行可能なランフラットタイヤ技術といった、安全性の向上と省資源・省エネルギーに貢献するタイヤ技術を紹介する。
さらに、運動エネルギーを熱エネルギーに効率的に変換する「高減衰ゴム」により、地震の揺れを最大70%低減する住宅用制震ユニット「ミライエ」や、高分子・ゴム加工技術を活かした医療用ゴム部品も合わせて紹介する。