創刊70周年にあたり、僭越ながら祝辞を申し述べさせていただきます。
70年前というと我が国の敗戦直後、我々が先代、先々代から聞かされた話によれば、ゴムは戦前から戦後にかけて重要な戦略物資であって、とくに戦後復興期にはその加工業者は大層羽振りが良かったそうです。
昭和20年代後半まで、ゴムは統制物資で配給制。ゴム工場で働く職工さんたちが、昼飯のために持参した弁当箱に現場で使い残した材料を詰め込み持ち帰ると、それを引き取ってくれる業者があったそうです。
そのような時代も今は昔、かつては「ゴムでなければ…」とされていた用途の多くが、他の素材に取って代わられてしまっています。
我々葛飾ゴム工業会は、全国で有数のゴム製造業の集積地域である葛飾の地に32年前に設立されました。以来、ゴムタイムス社様には、当会の様々な活動を報じていただくだけでなく、ホームページの開設・運用についてもお世話になっています。
ゴムタイムスに掲載される記事の殆どが、我々のような規模の小さな業者にとってはある意味「別世界」の事柄ではありますが、ゴムという素材を取り巻く大きな流れを知るうえで、唯一無二の存在であることに違いはありません。
購読者の末席に連なるものとして、今後の隆盛を祈念いたしております。