東洋ゴム 兵庫県・大阪府の高校で「出前実験教室」

2016年10月20日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業は10月19日、社員が高校へ赴き、実験を通じて自動車用タイヤの開発にかかわるサイエンスとテクノロジーを伝える「出前実験教室」を、10、11月に実施すると発表した。

 同社は今年5月、研究開発部門が主体となって、小中高校への教育応援プロジェクトを推進するリバネス社と連携し、将来的な科学技術の振興と理科系教育の発展の一助となるよう、より体系的な出前実験教室を行なうことを決定した。

 同教室の講師とアシスタントには、同社の要素技術研究拠点である兵庫県川西市の東洋ゴム基盤技術センター中央研究所に在籍する若手研究者11人を起用。リバネス社のサポートの下で、5ヵ月間、実験器具の自前制作を含め、授業内容の検討や準備を積み重ねてきた。

 今回は第1弾として、11人が2チームに分かれ、21日に同社の技術拠点がある兵庫県の育英高校の1年生30人、11月5日には、本社のある大阪府の箕面自由学園高校の2年生30人を対象に実施することになった。

 授業では、学年に合わせて新鮮な面白さを体感してもらえるよう、タイヤの製造工程や物性、素材技術を織り交ぜ、ゴムの加硫・反発力・転がり抵抗について学習する、オリジナルカリキュラムを開発した。

 また、同授業終了後には、社員が現在の仕事に就くまでの進路選択や、キャリアに対する自らの経験や考えを話す「キャリア座談会」を開催する予定で、将来の科学技術の振興を担う、高校生の意欲を喚起していく対話プログラムも準備している。

 企業が学校を訪問して行なう出前授業については、身近な製品が題材として取り上げられ、実社会や実生活で親しみを感じながら科学への探究心を育むプログラムとして、教育現場や地域社会から高い関心が寄せられている。

 これらを背景に同社はこれまで、関西の学校が目的に合った企業を選んで、出前授業の要請が行なえる外部プログラムに受託企業として登録し、これに応える形で2011年から小中高合計8校で出前授業に取り組んできた。

 同社は事業活動を行なっている各地域で、雇用をはじめ、さまざまな活動を通じて社会的な役割を果たし、共生することにより、企業としての存在価値を高めていきたいとしている。

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