創刊70周年記念特別インタビュー 日本ゴム工業会 南雲忠信会長に聞く

2016年10月24日

ゴムタイムス社

創刊70周年記念特別インタビュー ゴム産業の将来展望
日本ゴム工業会 南雲忠信会長に聞く

 ゴムタイムスは1946(昭和21)年10月に創刊し、今月で70周年を迎えた。この間、履物からスタートしたゴムは、タイヤやベルト、ホース、自動車部品など多様な分野・用途で使われるようになり、出荷金額ベースで2兆2600億円規模の産業となった。一方で、少子高齢化の影響で国内市場は縮小傾向にあり、海外市場では新興メーカーの台頭により競争が激化するなど、日本のゴム企業を巡る環境は厳しさを増している。今後、日本のゴム産業はどうなっていくのか。本紙70周年の節目に当たり、日本ゴム工業会の南雲忠信会長(横浜ゴム会長)に、ゴム工業会のこれまでの歩みを振り返ってもらいつつ、課題や展望を聞いた。

環境対応で技術革新

南雲忠信会長

南雲忠信会長

 ―ゴムタイムスは今月で創刊70周年を迎えました。日本ゴム工業会も創立66周年と、ほぼ同じ期間を歩んできたわけですが、この間の出来事で特に印象深いことは。

 ゴムは履物から始まり、その後、自動車産業が登場した。これにより履物が半分、タイヤが半分というような形になったが、その後、履物が減って自動車関連が伸びた。

 しかし、自動車産業自体も高度経済成長期に急成長したものが、現在はどんどん海外にシフトしている。それに応じて部品メーカーも海外に進出し、海外の生産比率が高まった。ホースやベルトといった工業用品も海外生産比率が上がる一方で、国内は頭打ちになっている。

 このように、それぞれが頭打ちになって日本国内のゴム産業自身が少し下り坂になってきているというのが、一番大きな出来事ではないかと思う。

 右肩上がりで推移していれば問題はないが、これまで右肩上がりで来たものが、やや下がり気味になっている。これは、日本の人口が減り、市場自体が小さくなっているのに対し、海外が急速に伸びているということだ。

 いろいろな出来事があったが、世の中の流れに即して振り返ると、やはり国内の減速と海外の成長ということになると思う。

 ―そうした状況を踏まえた上で、現在、ゴム工業会が抱えている課題は。

 ゴム産業はグローバル化が進み、生産拠点が

 

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