真のグローバル企業へ
全てに「断トツ」目指す 2015中計で重点3項目提示
ブリヂストン(津谷正明CEO)グループでは、「真のグローバル企業」と「業界において全てに『断トツ』」を目指し、2016年からの5年間を対象とした2015中期経営計画(2015MTP)を経営の中心に据え、戦略的な施策を進めるとともに、経営改革のスピードの向上を図っている。2015MTPの重点項目は「グローバル企業文化の育成」「グローバル経営人材の育成」「グローバル経営体制の整備」―の3点。このうち、グローバル企業文化の育成では「ブランド戦略の明確化」「技術/ビジネスモデル・イノベーション」「継続的改善」に取り組んでいる。
■グローバル企業文化の育成
◆ブランド戦略の明確化
ブランド戦略の明確化では、事業戦略・マーケティング戦略と整合性ある形で統一されたブランド戦略を展開。ブリヂストンブランドについてはタイヤ・多角化商品のメジャーブランドとして、さらなるブランド力の強化を図る。
ファイアストンブランドは、歴史的経緯により地域的にばらばらに展開していたものを、メジャーブランドとして育成していく。また市場が多様化していく中で、2つのメジャーブランドに加え、デイトンのようなリージョナルブランドも使い分けていく。
メジャーブランドのうちブリヂストンに関しては、フルネームでは文字数が多く視認性に劣ることから「B」マークの普及に努め、グローバル企業広告や屋外広告、名刺など様々な形で使用する。
また、ワールドワイド公式オリンピックパートナーとして、16年はブラジル・韓国・日本・米国の4ヵ国限定で、17年からはグローバルでスポンサーとしての活動を展開する。
スポーツイベントを通じたブランド力強化として、ゴルフは日本で「ブリヂストンオープン」、米国では「ワールドゴルフチャンピオンシップ」、冬用タイヤの拡販に努めている欧州では「FISアルペンスキー・ワールドカップ」、南米では「リベルタドーレス」などのスポンサーを務めている。
モータースポーツに関しては、オーストラリアのワールドソーラーカーレース、日本とタイでは「スーパーGT」を支援。ゴルフ、自転車などの多角化事業でもブランド強化に努める。
◆技術/ビジネスモデル・イノベーション
ブリヂストンはイノベーションを技術だけでなく、ビジネスモデルやデザインなども含めて捉えている。
社会の大きな変化であるメガトレンドを読みながら、顧客のニーズを把握。その上で顧客価値を創造するため、イノベーション文化を社内に浸透させ、グローバルR&D体制を強化するとともに、商品単体からソリューションへとレベルアップを図る。
グローバルR&D体制の強化では、最適化の一つの方向として、小平の開発・生産拠点の再構築に取り組む。
ソリューションビジネスに関しては「パンク対応ソリューション」として、米国から開始した「ドライブガード」という補修市場用ランフラットタイヤなどを展開する。
また、車の乗り心地についての「NVHソリューション」として、同社が持つタイヤ・防振ゴム・シートパッドを合わせて提案。運送ソリューション」ではトラック用新品タイヤとリトレッド、サービス、メンテナンス、ITを組み合わせて提案する。
「鉱山ソリューション」については、鉱山車両用タイヤ、コンベヤベルト、サービスを、「農機ソリューション」でも農機用タイヤだけでなく、ゴムクローラーとサービスも合わせて提供する。
◆継続的改善
継続的改善に関しては、経営の全ての面で進めており、その一環として「ブリヂストングループ・グローバルTQM大会」「ブリヂストングループ・アワード」を開催している。
このうち、グループ&グローバルTQM大会は、グループ内での優れた改善事例をグローバルで共有化し相互研鑽することで、より強固な経営体質の基盤づくりにつなげていくことを目的として、10年から実施しているものだ。
一方、グループアワードは、これまで地域別・事業別に表彰を行っていたものを、08年からグローバル全体での表彰制度として表彰を開始し、16年からは「企業活動全般」「社会貢献活動」「環境活動」「リスク・危険対策、リスク管理活動」「教育活動」の5分野で表彰する仕組みとしている。
■グローバル経営人材の育成
重点課題の2点目であるグローバル経営人材の育成に関しては、「Global EXCO(グローバル・エクスコ、グローバル経営執行会議)」で、どのような人材が必要なのかという議論を重ねている。
また、経営環境が激変する中で、多様性が求められるようになっていることから、