創刊70周年特別企画 各社の事業戦略 ニッタ

2016年10月24日

ゴムタイムス社

ソフトマテリアル「複合化技術」のグローバルNO.1パートナーへ
中長計「V2020」を推進 連結売上高800億円目指す

新田社長

新田社長

 昨年、創業130周年を迎えたニッタ(新田元庸社長)は、2020年に「ソフトマテリアル『複合化技術』のグローバル・ナンバーワン・パートナー」として存在することをあるべき姿とする中長期経営計画「V2020」に沿って事業を展開。世界経済の潮流が変化する中で、新たな需要業界の開拓やさらなるグローバル化の推進、既存事業の再成長を目指すとともに、新規事業創出のための戦略推進投資を積極的に行っている。

■3大方針に沿って事業展開

 ソフトマテリアル「複合化技術」とは、ゴム・樹脂などのソフトマテリアルのノウハウ、接着、多層化シートなどの複合製品化技術、顧客・用途ごとの評価技術のこと。
 V2020は12年度から20年度までを対象としたもので、3つの大方針を設定した。
 大方針1では「価値軸」として「強いニッタを目指した『ナンバーワン志向』『ナンバーワンバリュー』をテーマに設定。伝動・高速搬送領域における平ベルトのナンバーワン、「圧力伝達」「流体移送」領域におけるホース・チューブの機能・QCDでナンバーワン、成長事業におけるソフトマテリアル複合化部材ソリューションナンバーワン等を目標として掲げた。

伝動・搬送用ベルト“ポリスプリント”

伝動・搬送用ベルト“ポリスプリント”

 大方針2では「地域軸」として「グローバリゼーションの加速とアジアのネットワーク化」を目指し、グローバルOEMの開拓、現地人材の育成・現地化の促進、グローバルに戦えるモノづくり力の強化を図る。
 大方針3では「競争軸」として「ソフトマテリアルの複合化技術を梃子としたディマンド対応力の深化と進化」を設定。開発営業体制の構築、周辺領域を含めたソリューション力・提案力を強化していく。
 対象となる9年間を3年ごとに第1フェーズ(12~14年度)、第2フェーズ(15~17年度)、第3フェーズ(18~20年度)に区分。
 第1フェーズの数値目標として掲げた売上高600億円、営業利益率6%、海外売上比率27%については、売上高600億8900万円、営業利益率6・5%、海外売上比率31%で、目標全てを達成している。

 


 

■フェーズ2の取り組み進む

 現在、取り組んでいる第2フェーズでは「新製品・新事業の創出」「グローバル化の推進」「トータルコスト競争力の向上」の3大チャレンジを掲げた。
 新製品・新事業の創出については、第2フェーズから新製品売上比率を新たに追加。目標設定時点の新製品売上比率7%に対し、第2フェーズの最終年度には10%を目指している。
 今年度より、新事業のネタ作りをNICチーム(Nitta Innovation Crew)やテクニカルセンター、経営戦略室といった専門部門だけでなく、全社活動に広げて展開している。
 グローバル化の推進は、各国で現地生産と地産地消が加速する中、さらに

 

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