新中計最終年度に売上100億円へ
従来枠にとらわれず事業拡大 生産・流通拠点の再配置・整備も
東拓工業は16年度から20年度までの中長期5ヵ年計画に沿って事業を展開している。同計画では、従来のホース・パイプの製造販売の枠にとらわれず、業種の範囲を広げた樹脂加工業という新しい事業に取り組み、生産拠点の再配置や流通拠点の整備、ラインの増設などを実施する方針を打ち出した。これにより、20年度までに売上高100億円を目指している。
■東日本強化へ関東工場建設
新中計の大きな施策の一つが関東工場の建設だ。栃木県小山市の「小山第四工業団地」3区画の土地(取得面積は合計約4万6183㎡)に、建築面積1万㎡、延床面積1万4000㎡程度の第1期建屋を建設する。
今夏から着手し、来年末から再来年の初頭までに操業を開始する計画だ。
生産品目は工業用ホース、電設資材、土木資材の一部。第1期分の合計投資額は、用地取得費(7億5600万円)を含め30億円弱を想定。
同社では第2期工事についても早期に着手する方針を示しており、第2期が完成すると、メイン工場であるりんくう工場と同規模の生産能力を持つことになる。
関東工場建設の背景には、東日本地域への供給が弱かったことがある。同社は大阪・九州・静岡・沖縄に工場を持ち、これまで西日本を中心に展開していた。
今後の事業展開を考えた場合、東日本地域をいかに強化するかが課題であり、BCP対策の面からも関東工場を建設することになった。
さらに営業拠点についても、昨年の北関東営業所に続き、東北復興需要を見込んで、4月に営業倉庫を併設した新営業所を岩手県に開設した。
新中計では東日本地域の強化以外の施策として、生産性の向上と競争力確保の観点から、コアビジネスの設備更新のため、20年度までに5億円を投資することを明らかにした。
また、ホース・パイプなどのコアビジネスの底上げに加え、長瀬産業のグループ力を活用し、ホース・パイプ以外の樹脂加工業として新規事業を立ち上げ、事業領域の拡大を図っていく方針を示している。
■ホース・パイプの多様な製品群
同社の主力製品であるホース・パイプ製品は、大きく「電設資材」「土木資材」「工業用ホース」「橋梁関連資材」に分けられる。
このうち、電設資材については「角型TACレックス」「TACレックス」「難燃TACレックス」などがある。
角型TACレックスは、国土交通省新技術活用評価会議で従来技術より優れていることが認められた製品。同省の新技術情報提供システム(NETIS)に登録されている。
電気・情報通信用の管路を直埋方式で