信越ポリマーの2017年3月期第2四半期連結決算は、売上高が365億3100万円で前年同期比1・9%減、営業利益は33億2800万円で同74・7%増、経常利益は28億9800万円で同32・9%増、四半期純利益は21億8600万円で同48・1%増となった。
電子デバイス事業では、主力の自動車関連入力デバイスの出荷が堅調に推移した。円高の影響などを受けて、全体として売上げは前年を下回ったが、利益は前年を上回った。
入力デバイスは自動車電装スイッチの種類が増加したことに加え、搭載車種も増えて、キースイッチ・タッチスイッチの出荷が安定的に推移した。薄型ノートパソコン用のタッチパッドは、パソコン市場停滞の影響などにより落ち込んだ。ディスプレイ関連デバイスは、海外販売を中心とした液晶接続用コネクターが低調。コンポーネント関連製品は、電子部品検査用コネクターがスマートフォン生産調整の影響などにより伸び悩んだ。
この結果、電子デバイス事業の売上高は93億6900万円で同7・0%減、営業利益は7億9800万円で同9・8%増となった。
精密成形品事業では、半導体関連容器の出荷が好調に推移し、全体として売上げは前年を上回り、利益も大きく伸ばした。
半導体関連容器は半導体業界の高水準な需要を背景に、主力の300mmウエハー用製品の出荷が好調に推移した。OA機器用部品は主要ユーザー向け出荷の伸び悩みと円高の影響により落ち込んだ。キャリアテープ関連製品は自動車電装分野向けの需要が堅調だったが、スマートフォン用セラミックコンデンサーなどの微細部品用製品が振るわなかった。シリコーンゴム成形品は、メディカル関連製品や建材関連製品など主力製品が安定的に推移した。
これにより、精密成形品事業の売上高は154億6600万円で同2・3%増、営業利益は23億6700万円で同68・5%増となった。
住環境・生活資材事業では、塩ビ関連製品の国内市場での需要低迷と価格競争により全体として売上げは前年をやや下回ったが、利益は改善した。
ラッピングフィルムなどの包装資材関連製品は、食品スーパーマーケット向けが回復したものの、外食産業向けが減少して売上げは前年並みにとどまった。塩ビパイプ関連製品は住宅着工戸数の伸び悩みにより、受注量確保が厳しい状況が続いた。機能性コンパウンドは国内の自動車生産ライン停止が重なるなどの影響で、出荷が不安定だった。外装材関連製品は九州地区などで災害復旧・復興需要があったが、樹脂サイディング事業撤退による売上減少があり、前年を下回った。
これらの結果、住環境・生活資材事業の売上高は84億6100万円で同5・6%減、営業利益は1700万円(前年同期は3億2100万円の損失)となった。
その他の工事関連では、首都圏を中心に商業施設の新築・改装物件の受注を獲得し、売上げは堅調に推移した結果、売上高は32億3400万円で同5・3%増、営業利益は1億4500万円で同53・7%増となった。
通期の連結業績予想は、直近の公表から変更なく、売上高は760億円で前期比1・3%増、営業利益が53億円で同29・2%増、経常利益が50億円で同10・3%増、当期純利益が34億円で同7・9%増を見込んでいる。