信越化学工業の2017年3月期第2四半期連結決算は、売上高が6130億2600万円で前年同期比5・1%減、営業利益が1220億3400万円で同11・1%増、経常利益が1182億1100万円で同4・6%増、親会社株主に帰属する当期純利益が874億3700万円で同14・1%増となった。
塩ビ・化成品事業では、米国においては、シンテック社が増強された生産能力を生かし、北米内外で業界を上回る販売を実現し、2桁増益を達成した。欧州のシンエツPVC社は、安定した操業を続け、出荷は堅調に推移した他、日本国内も販売を伸ばし、ともに2桁増益となった。この結果、売上高は2017億4700万円で同8・5%減、営業利益が301億7300万円で同26・1%増となった。
シリコーン事業については、国内では化粧品向けや車載向けの出荷が好調に推移した。海外では市場価格低迷の影響を受けたが、米国や中国、東南アジア向けの機能製品の出荷が堅調だった。その結果、売上高は899億8200万円で同5・4%減、営業利益が205億8300万円で同0・1%減となっている。
機能性化学品事業に関しては、セルロース誘導体は、国内では建材用製品が振るわなかったが、医薬用製品が好調な出荷を継続した。加えて、欧州のSEタイローズ社が、塗料用製品を中心に順調に推移し、国内事業とともに同セグメントの2桁増益をけん引した。豪州シムコア社の金属珪素は、堅調な出荷となった。これにより、売上高は555億800万円で同7・1%減、営業利益が119億9400万円で同21・2%増となった。
半導体シリコン事業では、半導体シリコンはメモリデバイス向けが底堅く推移するとともに、ロジックデバイス向けも中国スマートフォン用などの堅調な需要により出荷は総じて好調に推移した。この結果、売上高が1233億2700万円で同2・2%減、営業利益が261億2300万円で同3・4%減となった。
電子・機能材料事業については、希土類磁石は、産業機器向けが振るわなかったが、ハイブリッド車をはじめとする自動車向けが堅調。フォトレジスト製品は、ArFレジストや多層レジスト材料が底堅く推移し、マスクブランクスは好調な出荷を続けた。LED用パッケージ材料は一部顧客での生産調整の影響を受けたが、光ファイバー用プリフォームは堅調に推移した結果、同セグメントは2桁増益を達成した。売上高は932億2700万円で同1・7%減、営業利益が278億3700万円で同11・0%増となった。
その他関連事業は、信越ポリマー社の自動車用入力デバイスや半導体ウエハー関連容器が堅調に推移した。この結果、売上高が492億3200万円で同0・3%減、営業利益が53億5600万円で同74・5%増となった。
通期の連結業績予想は直近の見込みからは変更なく、売上高は1180億円で前期比7・8%減、営業利益は2250億円で同7・9%増、経常利益は2300億円で同4・5%増、親会社株主に帰属する純利益は1600億円で同7・5%増を見込んでいる。