東海カーボンの2016年12月期第3四半期連結決算は、売上高は663億7300万円で前年同期比17・5%減、営業利益は、4億7000万円で同86・7%減、経常利益は5億2200万円で同85・6%減で減収減益となった。親会社株主に帰属する四半期純損失は53億7700万円(前年同期は14億3300万円の四半期純利益)となった。
カーボンブラック事業部門のカーボンブラック原料油は一昨年から続く価格下落が今夏に反転の兆しを見せたものの昨年の水準までは戻っていない。売上高は原料油価格変動分の価格改定を実施した影響により1~9月では昨年比減少したが、営業利益は海外子会社のコストダウン策等により増益となった。結果、同事業部門の売上高は278億500万円で同23・9%減となり、営業利益は32億8200万円で同177・4%増となった。
黒鉛電極事業部門では、今年1~8月の世界粗鋼生産は前年同期比マイナスとなり、中国の鋼材過剰生産による各地域の生産調整が続くなか電極需要低迷が継続した。このような状況の中、黒鉛電極の需給不均衡は継続し、市況悪化による販売価格の下落に加え円高が進行したため売上高は大幅な減少となった。結果、同事業部門の売上高は156億4400万円で同22・7%減となり、営業損失は8億2700万円(前年同期は19億8000万円の営業利益)となった。
ファインカーボン事業部門では、半導体市場及び一般産業用市場は堅調に推移しており、太陽電池市場は中国を中心に回復しているものの、特殊炭素用黒鉛材の供給能力は依然として需要を上回っており厳しい競争環境にある。このような環境下、同事業部門は要員削減を含む合理化策を実施しており、生産能力の削減のみならず、製造品目絞り込み、在庫削減等の施策を進めでいる。また同期においては、取引先の業績悪化による貸倒引当金繰入等による約8億円と長期在庫の評価損約3億円計上等により、営業利益が大幅に減少した。結果、同事業部門の売上高は98億900万円で同15・0%減となり、営業損失は15億6100万円(前年同期は3億円の営業利益)となった。
工業炉及び関連製品事業部門では、主力製品である工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向けが前年同期に対して伸長したことに加え、一部エネルギー関連業界の設備投資があったため前年同期比増となった。発熱体その他製品の売上高は、中国の電力インフラ向けが堅調に推移したものの、耐火物の需要減等の影響により前年同期比微減となった。結果、同事業部門の売上高は40億4100万円で同5・9%増となり、営業利益は4億4300万円で同4・3%増となった。
その他事業部門の摩擦材は、中国の需要低迷による建設機械の生産量落ち込みや、農業機械の生産減等の影響を受け、販売数量が減少した。結果、摩擦材の売上高は56億4100万円で同9・3%減となった。その他では、不動産賃貸等その他の売上高は、リチウムイオン二次電池用負極材の販売数量が増加したことにより34億3100万円で同59・0%増となった。以上により、同事業部門の売上高は90億7300万円で同8・3%増となり、営業利益は4億1400万円で同14・2%減となった。
通期の連結業績予想は、前回の予想を修正し、売上高が870億円で前期比17・0%減、営業利益が7億円で同82・9%減、経常利益が10億円で同76・8%減、親会社株主に帰属する当期純損失が51億円を見込んでいる。