住友ゴム工業の16年12月期第3四半期連結決算は、売上高は5604億5300万円で前年同期比5・0%減、営業利益は424億7300万円で同0・1%減となった。円高の進行などにより前年同期比減収となったものの、全社的な総原価低減活動などにより、営業利益は前年同期並みとなった。また、昨年10月の米国グッドイヤー社とのアライアンス解消に伴い、北米・欧州における合弁会社からの持分利益の計上が無くなったことなどにより、経常利益は396億4500万円で同9・0%減、親会社株主に帰属する四半期純利益は376億5600万円で同2・8%減と、それぞれ減益となった。
セグメント別の業績では、タイヤ事業の売上高は、4806億9600万円で同5・0%減、営業利益は377億1400万円で同7・8%減となった。
国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの「エナセーブ」シリーズや、特殊吸音スポンジ「サイレントコア」を搭載した快適で長持ちする低燃費タイヤ「LE MANS4」の拡販に加えて、ダンロップ史上No・1の氷上性能を実現した、「効き長持ち性能」と「ライフ長持ち性能」を高次元でバランスさせたスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX02」の早期展開に努めたことなどにより、販売数量、売上高は前年同期を上回った。国内新車用タイヤは、引き続き低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの納入拡大に努めたが、自動車生産台数が前年同期を下回ったため、販売数量、売上高は前年同期を下回った。
海外市販用タイヤは、北米・欧州をはじめ、中近東、アフリカ、中南米などで販売を伸ばしたが、為替の円高影響により、売上高は前年同期を下回った。海外新車用タイヤは、タイや南アフリカに加えて、昨年より納入を開始したブラジルで販売を伸ばした。また北米・欧州においても引き続き納入を拡大したことにより、販売数量は前年同期を上回ったが、為替の円高影響により売上高は前年同期を下回った。
以上の結果、タイヤ事業の売上高は前年同期を下回った。
スポーツ事業の売上高は、545億3400万円で同2・8%減、営業利益は34億8000万円で同694・0%増となった。国内ゴルフ用品市場では、昨年12月に発売した「ゼクシオ ナイン」が順調に販売を伸ばしたが、ゴルフウェアでは当期よりデサント社とのライセンスビジネスに切り替えたことなどにより減収となり、売上高は前年同期を下回った。海外のゴルフ用品市場においては、グローバルに「スリクソン」、「ゼクシオ」のブランドで積極的に拡販に努めたが、米国や欧州において「クリーブランドゴルフ」のゴルフクラブが販売減となり、為替の円高影響もあって売上高は前年同期を下回った。
以上の結果、スポーツ事業の売上高は前年同期を下回ったが、「ゼクシオ ナイン」の増販による販売構成の良化や、円高による仕入コストの減少などにより、営業利益は増益となった。
産業品他事業の売上高は、252億2300万円で同10・0%減、営業利益は12億6800万円で同10・3%増となった。医療用ゴム部品や制振事業は堅調に推移した。プリンター・コピー機用精密ゴム部品ではプリンター・コピー機メーカーが減産となったことに加えて、為替の円高影響もあって減収となった。体育施設や土木海洋といったインフラ系商材も販売が減少した。
以上の結果、産業品他事業の売上高は減収となったが、経費の抑制などにより増益となった。
通期の連結業績予想については、前回発表時の予想を変更しておらず、売上高は8100億円で前期比4・6%減、営業利益は700億円で同9・2%減、経常利益は660億円で同16・3%減、親会社株主に帰属する当期純利益は535億円で同4・2%減を見込んでいる。