ミシュランの1~9月期 売上高2%減、乗用車用タイヤは微増

2016年11月08日

ゴムタイムス社

 日本ミシュランは11月8日、仏ミシュランの2016年12月期第3四半期決算の内容を明らかにした。それによると、第1~3四半期累計の販売量は市場水準を上回り、1・4%増加したものの、グループ全体の売上高は154億7100万ユーロで前年同期比2・1%減となった。

 第1~3四半期の決算内容を詳しく見ると、乗用車・ライトトラック用タイヤおよび関連販売事業の売上高は88億8000万ユーロで同0・5%増、トラック用タイヤおよび関連事業の売上高は44億4000万ユーロで同5・0%減、特殊製品事業の売上高は21億5100万ユーロで同6・2%減となった。

 また第3四半期のみで見ると、乗用車・ライトトラック用タイヤおよび関連販売事業の売上高は29億6400万ユーロで前年同期比0・5%減、トラック用タイヤおよび関連事業の売上高は15億3300万ユーロで同4・6%減、特殊製品事業の売上高は6億8200万円で同5・9%減となり、ミシュラングループ合計では売上高が51億7900万ユーロで同2・5%減となった。

 第3四半期の乗用車、ライトトラック用およびトラック用タイヤの需要は、成熟市場の中で横ばいからやや減少となった。新興市場における需要は、中国の乗用車およびライトトラック用タイヤ・セグメントにおける持続的な力強さと、南米での急激な縮小が混在する状況にあった。特殊タイヤ市場は、農業用セグメントの減速、鉱山・建設機械用タイヤの直需市場需要の落ち込み、および鉱山会社による在庫削減の継続等が見受けられた。

 価格ミックスはマイナス1・7%。ミシュランは「当社のテクノロジー・リーダーシップによる価値をフル活用できるように設定された価格戦略の実行」「顧客への新たな製品やサービス提供の成功」「特に17インチ以上のプレミアムセグメントにおける販売量の11%増加」という要因により、価格ミックスが改善したとしている。

 今年度の最終四半期における市場は、第1~3四半期に見られたトレンドに一致する強弱材料が混在した状況が続くと予想される。ミシュランは、グループの価格戦略の持続的展開と原材料コストによるプラスの影響が推計5億5000万ユーロであることを考え、価格ミックスおよび原材料コストによる影響により、今年度の営業利益を1億5000万ユーロ超押し上げると見込んでいる。

 通年においては、ミシュランは世界市場を上回る販売量の成長、為替レート変動による影響を除外した場合の通常業務による営業利益の増加、および8億ユーロを上回る構造的なフリーキャッシュフローという目標を確認している。

 

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