国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は11月10日、日本ゼオンが量産を開始したカーボンナノチューブとゴムを複合したシート系熱界面材料(TIM)の開発に成功したと発表した。
開発したTIMはシート系でありながら、従来使用されている半固体状のグリース系TIMより優れた熱抵抗値、高い作業性を実現しており、発熱問題が顕著化しているサーバーおよびパワーデバイス中の半導体温度を大きく低下する事が可能になるという。
既に、サーバー用、パワエレ関連で引き合いがあり、ユーザーにサンプル配布を始めている。
これに合わせ、日本ゼオンでは開発したTIMを量産するためのパイロットプラントを、ゼオン化成茨城工場敷地内に建設することを決定、今年12月に竣工、17年4月30日までに設備立ち上げを目指している。
スーパーグロース法を用いたカーボンナノチューブ(SGCNT)量産工場である日本ゼオン徳島工場に、パイロットプラントを併設しなかった理由については「熱関係の材料を既に茨城工場で生産していたため、既存設備を使用できるため」(荒川公平日本ゼオン特別経営技監)と説明した。
初期生産能力は、月産80平米を予定しているが、将来的には海外への出荷