日立化成 LED素子実装基板用材料3製品を開発 高放熱性、生産性などを訴求

2011年10月03日

ゴムタイムス社

 日立化成工業㈱は高放熱性、信頼性、生産性に優れたLED素子実装基板用材料3製品を開発した。
 LED素子を組み込んだ製品は、PCモニター、TV等の液晶ディスプレイバックライト向けをはじめとし、近年急速に普及が進んでいる。これらの製品には、さらなる低消費電力化、長寿命化、信頼性向上のための技術革新が強く求められているという。
 これらのニーズに対応するため、LED素子実装基板ではLED素子の発熱に伴う温度上昇を抑えるため、高い電気絶縁性を保ちながら効率的に放熱できる材料が求められきた。加えて最近では、低価格化のための生産性向上や、自動車、電子看板、照明など用途の多様化に伴い、意匠性への対応といったニーズも高まってきた。
 同社は、ナノテクノロジーの活用により、トレードオフの関係にある電気絶縁性と高熱伝導性を両立した特殊なエポキシ樹脂系材料、ポリイミド系材料を開発し、これを同社の配線板材料技術と融合させることから、新たにLED素子実装基板用材料3製品を開発した。
 高熱伝導金属基板材料 ハイセット「HT―5100M」は特殊なエポキシ樹脂を用いることで、業界最高値となる5W/m・Kの高熱伝導性を実現し、一般的な金属基板を用いた場合と比較して、基板上に搭載したLEDパッケージの発熱温度を大幅に下げることが可能となった。自動車用ヘッドライトなど、ハイパワーのLEDパッケージが採用される分野に適している。
 また同製品は銅箔に樹脂材料を塗布したシート製品として提供するほか、それをアルミ板とプレス加工した金属基板製品としてLED関連製品メーカーへ供給していく。
 低熱抵抗金属基板材料ハイセット「HT―9000IMA」は高耐熱、高電気絶縁性の特殊なポリイミド樹脂を薄膜化し、低熱抵抗を実現するとともに、折り曲げて使用することを可能にした。さらなる薄型設計が求められるTV等の液晶ディスプレイバックライト分野に適している。
 また同製品は銅箔に樹脂材料を塗布したシート製品として提供するほか、それをアルミ板とプレス加工した金属基板製品としてLED関連製品メーカーへ供給していく。
 粘着材付き低熱抵抗薄型フレキシブル基板材料ハイセット「HT―9000ITM」はLEDパッケージを基板に実装する時に必要な高温処理に耐えられる特殊な粘着材料を開発した。これにより、基板側にあらかじめその粘着材料を使い接着性を付与させることが可能となるため、顧客の組み立て工程で、基板に接着材を塗布したり、筐体にネジ留めしたりする工程を省くことが可能となる。また、さらなる薄型化の実現によりフレキシブル性が高く、電子看板、TV、自動車など、意匠性が求められるさまざまな用途に対応できる。
 また同製品は特殊なポリイミド樹脂を電気絶縁層にした両面銅箔の金属基板に特殊な粘着材料を貼り付けた粘着材付き金属基板製品としてLED関連製品メーカーへ供給していく。
 3製品は現在サンプル出荷中であり、2011年度下期に量産を開始し、2014年度に年間売上高約50億円を目指す。

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