東洋ゴム工業の2016年12月期第3四半期連結決算は、売上高が2789億3400万円で前年同期比7・3%減、営業利益は349億3800万円で同26・6%減、経常利益は286億8400万円で同31・1%減、四半期純利益は75億8700万円(前年同期は43億1500万円の損失)となった。
タイヤ事業の売上高は2217億5700万円で同7・6%減、営業利益は321億8700万円で同26・3%減となった。
新車用タイヤは、国内自動車生産の低迷が続く中、同社品装着車種の販売が好調に推移したことなどにより、国内販売は販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
また、海外市場でも新規に獲得した車種の販売が好調に推移したため、販売量・売上高ともに前年同期を上回った。この結果、新車用タイヤ全体では販売量・売上高ともに前年同期を上回った。
国内市販用タイヤは業界全体の販売が低迷する中、ミニバン専用タイヤ「トランパス・シリーズ」やグローバル・フラッグシップタイヤ「プロクセス・シリーズ」、低燃費タイヤ「ナノエナジー・シリーズ」の販売が好調に推移したことにより、販売量・売上高ともに前年同期並みとなった。
海外市販用タイヤは、米国市場では市場競争が激化する中、ライトトラック用タイヤの主力商品「オープンカントリー・シリーズ」の新商品「オープン・カントリーC/T」「オープンカントリーQ/T」を発売。
さらにニットー・ブランドでも、ライトトラック用タイヤ「グラップラー・シリーズ」の新カテゴリー商品「リッジ・グラップラー」を発売し、商品ラインの拡充による拡販に取り組んだことなどにより、販売量は前年同期並みとなった。
欧州市場では販売チャネルの整備・拡大を積極的に行うことで、販売量は前年同期を上回った。
この結果、海外市場全体では、販売量は前年同期を上回ったが、継続する為替の円高基調などにより、売上高は前年同期を下回った。
ダイバーテック事業の売上高は571億3600万円で同5・9%減、営業利益は23億1000万円で同18・5%減となった。
輸送機器分野では、自動車用シートクッションで新規受注品が好調に推移したが、自動車用防振ゴムでは同社品装着車種の販売減少や、為替が円高基調に振れた影響を受け、全体の売上高は前年同期を下回った。
鉄道車両用空気バネ・鉄道車両用防振ゴムでは、海外新車市場・海外補修市場向けへの販売は好調だったが、国内補修市場向けへの販売が低迷したため、売上高は前年同期を下回った。
断熱・防水資材分野のうち、断熱資材分野については建材メーカー向け硬質ウレタン原液の販売が低迷したことに加え、農畜舎向け資材で大型物件の販売が低調だったため、売上高は前年同期を下回った。防水資材分野についても、主力のゴムシート防水材の需要低迷により、売上高は前年同期を下回った。
産業・建築資材分野は産業用ゴム引布を中心に販売が好調だったが、道路資材で公共事業での受注が低迷したため、売上高は前年同期を下回った。
通期の業績予想については、為替が想定よりも円高に推移したこと、さらなる市況の悪化が想定されること、第3四半期に追加で製品補償対策費、製品補償引当金繰入額を特別損失として計上したことなどにより、8月10日発表の予想を下方修正した。
売上高は3800億円で前期比6・8%減(前回発表比3・8%減)、営業利益は440億円で同30・6%減(同15・4%減)、経常利益は380億円で同33・1%減(同16・5%減)、当期純利益は120億円で同616・8%増(同33・3%減)を見込んでいる。