ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情24 シンガポールのゴム産業(前編) 加藤進一 2018年5月17日 15時 3月にシンガポールに3日間行ってきました。加藤事務所が輸入代理店をしているフランスのMLPC社という加硫促進剤、マスターバッチメーカーのアジアミーティングが2日間あり、MLPC社本社社長以下とアジア中の代理店が集まり販売会議をやりました。 1日目には私が日本のマーケットについてプレゼンをし、2……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情23 中国の環境規制の現状(後編) 加藤進一 2018年4月19日 16時 前回に引き続き、中国で行われている環境規制によって、影響を及ぼすゴム産業について述べていきます。 ゴム薬品、促進剤、老化防止剤は、実際にはこれらの薬品の供給をほとんど中国に頼っていましたので、昨年は、供給減、価格3割UPとなり、どこも大変です。日本のゴム薬品メーカーもその原料、中間原料、または……
ゴムタイムス社 【社告】「世界のゴム事情 第3版」発売 2018年4月5日 10時 弊紙ではこのほど、各国の最新のゴム事情を紹介した「世界のゴム事情第3版」を発売致しました。 著者の加藤進一氏が代表を務める加藤事務所は、世界19か国のゴム原材料、タイヤ、ゴム会社との取引があります。また、加藤氏自らも年間20回以上海外に出張する傍ら、世界各国のゴム産業を視察し、詳細な分析を行うなど……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情22 中国の環境規制の現状(前編) 加藤進一 2018年3月15日 14時 世界をゴム材料の視点から考えると、中国国内の環境規制が、タイヤ、ゴム業界に多大な影響を与え始めています。カーボンブラック、加硫促進剤、老化防止剤のゴム薬品、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等は最近値上がり、または物不足になっています。これらはすべて中国の環境規制、さらに裏金禁止規制が……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情21 米国のゴムEXPO(後編) 加藤進一 2018年1月9日 9時 ゴムEXPOから見える米国のゴム事情 前回は米国で開催されたゴムEXPOについて触れましたが、今回はこの展示会から見えてくる米国のゴム事情をお伝えします。 20年前に比べると、このゴム展示会の規模は少し小さくなりました。確かに生産拠点が米国からどんどんメキシコやアジアに移転されています。よって原……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情20 米国のゴムEXPO(前編) 加藤進一 2017年11月22日 11時 米国で開催されたゴムEXPO(前編) 17年10月9日から12日まで、米国オハイオ州クリーブランド市で第192回国際エラストマー会議&ゴムEXPOが開かれました。 私は数年ぶりにこのゴムEXPOに参加しました。初めてこのゴムEXPOに参加したのが30年ぐらい前でしたから、ちょっと懐かしい展示会です。この……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情19 韓国 加藤進一 2017年9月7日 15時 韓国には2大タイヤメーカー、ハンコックタイヤ、クムホタイヤがあります。また自動車会社は現代自動車と起亜自動車(現代自動車は起亜自動車の32%株主で、かなり部品の共通化がはかられ1グループ2社と考えられます)があり、よって自動車ゴム部品メーカーも数多くあります。韓国ゴム工業会には約100社のゴム関連……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情18 フィリピン(下) 加藤進一 2017年7月10日 9時 フィリピン経済と今後 前回はフィリピンのゴム産業についてお伝えしました。今回はフィリピン国内の現状について説明します。 フィリピンは人件費が安いこと、さらに人件費があまり上昇していないことが最大のメリットです。現在ワーカーの賃金はおよそ月3万円、よって上海、タイより安いくらいです。ベトナム、イン……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情17 フィリピン(上) 加藤進一 2017年6月12日 10時 日系企業とゴム産業の現状 一般的にフィリピンのゴム産業と聞くと、あまりピンとこないかもしれません。大きな自動車産業があるわけでもありませんし、進出している日系ゴム会社の数も少ないです。しかし今フィリピンが次の進出先として注目を集めています。 現在フィリピンに進出している日本のゴム会社は、横浜ゴム……
ゴムタイムス社 【社告】「世界のゴム事情2016年版」発売 2017年5月12日 10時 弊紙ではこのほど、各国の最新のゴム事情を紹介した「世界のゴム事情2016」を発売しました。 著者の加藤進一氏が代表を務める加藤事務所は、世界19ヵ国のゴム原材料・タイヤ・ゴム会社と取引があります。著者自身も年間20回以上海外に出長する傍ら、世界各国のゴム産業を視察し、詳細な分析を行うなど、各国のゴ……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情16 タイ(下) タイのゴム産業 加藤進一 2017年4月28日 9時 前回は、タイの日系メーカーにおける現状をお伝えしました。今回はタイの原料面でみていくと、工業用ゴム部品によく使われるEPDM、NBRはタイでは現地生産されていません。すべて輸入品です。日本、韓国、米国からの輸入が多いようです。日本からタイに輸出されている合成ゴムは、そのほとんどがタイの日系ゴム会……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情15 タイ(上) 日系企業の現状 加藤進一 2017年3月13日 9時 タイのゴム会社と言えば、ゴムタイムスの多くの読者は、タイにある日系自動車ゴム部品工場を思い浮かべるでしょう。 タイには現在80社、100拠点以上の日系のゴム部品工場、ゴム材料商社、合成ゴム会社、ゴム製品商社が進出しており、タイに駐在しているゴム関係の日本人は200名を越すと言われています。 また、……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情14 インドネシアのゴム業界 2017年1月5日 9時 日系のタイヤ、ゴム会社の進出状況 インドネシアは人口2・5億人、自動車生産が年間100万台強という国です。人口が多く、自動車生産もこれだけあると、ゴム産業もかなり発達しているのではと思えますが、意外にローカルのゴム会社がありません。逆に言えば日系のタイヤ、ゴム会社が大きな工場をもっているのです……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情13 ヨーロッパのゴム業界(後編) 2016年11月14日 9時 ヨーロッパのゴム業界(後編) 前回に続き、ヨーロッパのゴム業界事情についてご紹介したいと思います。 EUのゴム会社を訪問すると、本社や研究所は古いビルの中にあります。経営幹部はほとんど博士号取得者で、自社内で人材を育て、同業他社に人が移動しないのもEUの特徴です。 現在、ドイツを中心に「イン……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情12 ヨーロッパのゴム業界(前編) 2016年9月12日 9時 ヨーロッパのゴム業界(前編) ヨーロッパ、EUには古くからゴム産業があります。合成ゴムを世界で最初に発明したのもドイツのBayer(IG)です。現EUには、タイヤではミシュラン(仏)、コンチネンタル(独)、ピレリー(伊ですが、中国が同社を買収しました)があります。 一方、工業用ゴム部品では、C……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情11 ブラジルのゴム業界(後編) 2016年7月11日 10時 ブラジルのゴム業界(後編) 前回はブラジルのゴム業界の現況を、できるだけ詳しくご紹介しました。 加藤はブラジルの合成ゴム、カーボンブラック、プロセスオイル、ゴム薬品、粉末硫黄、ステアリン酸、ゴム加工機械とこれらの会社にすべて行き、工場見学をしています。実際、ブラジルに進出された日系のタイヤ、ゴ……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情10 ブラジルのゴム業界(前編) 2016年6月27日 9時 ブラジルのゴム業界(前編) 前回はメキシコのゴム業界の話をしましたが、中南米のゴム業界、タイヤ業界といえば、やはりブラジルのゴム業界でしょう。ブラジルには欧米系のタイヤ工場がたくさんあり、ブリヂストンも50年以上前から現地でタイヤ生産を開始し、3年前には住友ゴム工業もタイヤ生産を開始しました。 ……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情9 加速する日系企業のメキシコ進出 2016年5月2日 9時 加速する日系企業のメキシコ進出 前回は「メキシコに米国からゴム産業自体が移動している」「安い人件費を武器に米国でゴム製品を作る代わりに、原料を米国から運んで、メキシコで成型して、それをメキシコにある米系、日系、EU系の自動車工場に納入し、その自動車のほとんどが米国に輸出される」との話をしました……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情8 自動車産業の集積が加速するメキシコ 2016年3月11日 12時 自動車産業の集積が加速するメキシコ 最近、アメリカのゴム産業自体がメキシコに移動中という話をよく聞きます。 私は毎年1~2回メキシコに出張していますが、日系自動車ゴム部品メーカーが続々と進出してきています。現在、メキシコの自動車生産台数は2015年で年間340万台に達しました。これは世界で中国……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情7 中国次第のゴム原料動向 加藤進一 2016年1月15日 15時 中国次第のゴム原料動向 今年も加藤事務所を宜しくお願いいたします。 今年のゴム原材料事情は、中国の動向次第です。 平成27年12月22日の日本経済新聞夕刊に掲載された商品欄「プロはこう読む 商品(天然ゴム)」に当社、加藤が写真入りでコメントしました。その中で、中国のタイヤ原材料の購入がいつ回復する……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情6 イランのゴム産業について 加藤進一 2015年11月30日 10時 イランのゴム産業について イランのゴム会社を訪れて 11月にイランのタイヤ会社を訪問してきました。目的はベトナム製天然ゴムの売り込みですが、イランのゴム事情も分かってきました。イランは現在、米国の経済制裁を受けています。ドル、ユーロ、主要国際通貨での支払決済ができません。資金面で孤立させようとし……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情5 米国のゴム業界の現状 加藤進一 2015年9月25日 17時 米国のゴム業界の現状 25年前にアメリカに3年間駐在していたころに比べると今のアメリカのゴム業界はかなり違ってきています。昔は大手ゴム会社もファミリービジネスの延長という面があり、経営者と話をしていると、よき時代のアメリカの話が多かったです。 当時合成ゴム、天然ゴムの消費は米国が一番で、材料相場……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情4 ポーランドのゴム企業 加藤進一 2015年7月10日 9時 ポーランドのゴム企業 最近はヨーロッパのゴム、タイヤ生産自体が、ドイツ、フランス、英国から、低賃金を求めて、ポーランド、ハンガリー、チェコに移ってきています。ちょうど日本から低価格帯のゴム製品生産、汎用グレードのタイヤ生産が、中国、タイ、インドネシア、ベトナムに移動してきたのと同じです。 EU……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情3 拡張するインドのゴム産業 加藤進一 2015年5月25日 6時 拡張するインドのゴム産業 当社はインドにINDO-JAPAN POLYMERSという合弁会社を持っています。私がインドに行き始めたのが2005年ごろからで、そのころはChennai行の飛行機に乗ってもまず日本人に会いませんでした。それが今では日産自動車の工場ができたこともありますが、いつも20名以上の日本人が乗っています。や……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情2 台湾のゴム機械メーカー 加藤進一 2015年4月6日 11時 台湾のゴム機械メーカー 当社は台湾でゴム加工機械(ゴム練り、成形、切断)を販売しているので年に4、5回は台湾に出張します。私は中国語ができませんが、台湾の若い方は英語をしゃべる方が多いのでなんとか仕事になっています。台湾には日本のやり方を見習う、日本人を尊敬しているという方が多いので、中国大陸側……
ゴムタイムス社 【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情1 中国の変調 加藤進一 2015年1月5日 13時 中国の変調 皆さん明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 最近は、天然ゴム、ナフサ、ブタジエン等のゴム原材料が安くなってきています。2014年は、中国の変調がはっきりしてきた年でした。 中国は今まで急速な経済発展をとげ世界の約30%のゴム原材料を消費していました。中国も「……