~ゴム金型構造の種類、ゴム金型構造選びの注意点、製品の寸法精度とゴムの収縮性、キャビティ配置の仕方、バリ仕上げの方法~
受講可能な形式
趣旨
ゴム製品の多くは圧縮成形金型で成形されますが、それにしては金型に関する情報は少ないです。またなぜか、その大切な金型についてゴム技術者は苦手意識をもっているようです。
ゴム金型作成をゴム金型屋に任せる前に、そのゴム製品形状がゴム金型を作る上で何か支障がないか、また成形工程の組み立て、成形コスト、成形品質の維持管理などに対して金型構造は問題がないのかを知るためには、ゴム金型構造の成り立ちとその基礎的な知識を知ることが望まれます。
ゴム金型構造を選択するための最適な方法はあるのか否かの答えを出すのは難しいですが、何に注意しなければならないかは指摘できます。
もし金型に不具合があったとき、何度も作り替えることができるのならば問題はありませんが、費用を考えればできないことであり、一度で完成度の高い金型を作る必要があります。
今回のセミナーで金型構造を選ぶ際のコツや勘所を習得し、効率的で完成度の高い製品開発に役立てていただけると幸です。
受講対象者
◎成形加工や金型技術に携わる方
◎ゴム金型を学び直したい中堅社員
◎金型メーカーの技術者
◎ゴム成形に参入される異業種企業の技術担当
日時 | 2025年4月3日10:30~16:30 |
---|---|
講師 | 大坪一夫(ゴム技術コンサルタント) |
講師略歴 | 1964年 千葉工業大学工業化学科卒業 |
受講料 | 45000円/1人(税別) |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | ゴムタイムス社 |
配布方法 | 冊子のテキストで配布 ※本セミナー資料の無断転載、二次利用、講義の録音・録画などの行為を固く禁じます。 |
お申込み | このセミナーに申込む |
プログラム
1.ゴム金型構造の種類
1.2枚型 ゴム板型、彫り込み型
2.バリ規制型 オーバーフローの位置
3.押し込み型 タテバリが出る
4.喰い切り型 O リング型、突き当て喰い切り型、ノゾキ喰い切り型
5.3枚型
6.インロー型 ガイドピン無し
7.中子型 中空製品
8.注入型(圧入型) 直接注入型、間接注入型
9.射出成形型
2.ゴム金型構造選びの注意点
a. ゴム製品形状と金型構造の相性
b.熱板の大きさとラム径(型締め圧)
c.ゴムの流れ性と金型構造
d.分出しゴムの平滑性
e.金型構造を決めるときの条件
2-1 ゴム製品形状
a.角・隅のRの有無
b.抜き勾配(テーパー角度)
c.中空製品
2-2 取り数
a.単位当たりの生産量
b.成形機の性能(3-1 項)
c.キャビティ配列 タテヨコ偶数
2-3 寸法精度
a.± 0.1 の公差に注意
b.ゴムの収縮率を正確に取る
2-4 ゴム材質特性
a 分出しゴムの平滑性
b 仕込み材料重量の精度と金型構造
2-5 インサート金具の有無
a 注入型が適するが取り数は小さくなる
bインサート金具の固定穴
c インサート金具のセット治具
2-6 キャビティの配置
a キャビティピッチは狭過ぎず広過ぎず
2-7 オーバーフローの有無
a ゴム材料の特性により付ける
b 仕込み材料重量の精度
2-8 エアベントの有無
a 真空成形機の活用
b エアベントは細く
3.成形加工性の注意点
3-1 成形機の性能
a 型締め圧
b 熱板の大きさと金型の大きさ
3-2. 成形技能レベルと省力化
a 金型取り付け機構
b 脱型作業の省力化
3-3 ゴムの収縮
a 加硫ゴムの収縮
b 二次加硫の収縮
c 製品肉厚と収縮
3-4 金型材質
a 炭素鋼SC材
b 低炭素鋼SS材
3-5 金型のメッキ処理
a 硬質クロムメッキ
b 艶有り、艶消し
3-6 ゴム表面の外観・意匠
a 金型切削面の粗さ
b 鏡面仕上げの必要性
3-7 喰い切り刃
a O リング型の喰い切り
b 喰い切り型の保守管理
3-8 追加工の有無
a 加硫ゴム内部の異常
b バリの喰われ防止跡
3-9 注入型(圧入型)
a 注入型の選び方
b ランナー、ゲートの太さ、数
c 直接注入、間接注入
3-10 インロー型
a ガイドピンなし型
b 複数型割り型に有効
3-11 射出成形型
a 大形製品、肉厚製品の成形に適する
b 射出成形機導入の条件
4.バリ仕上げの方法
a.バリの出方は金型構造で決まる
b.型割りの数だけバリが出る
c.効果的なバリの出し方が生産技術力
d.タテバリとヨコバリの違い
4-1 バリ仕上げ治具の選択
1.バリ切りバサミ
2.喰い切り仕上げ
3.抜き仕上げ
4.ロクロ仕上げ、旋盤仕上げ
5.タンブラー冷凍仕上げ
4-2 金型厚さと反り
1.金型は厚く
2.薄い金型はバリ厚不均一
3.ゴムの流れ方とバリ厚
4.マニュアルは常に改訂しておく
5.ゴムの流れ性の調べ方
4-3 不良に対する認識
1.成形不良をゼロにする
2.社外流出不良は高く付く
4-4 厚い金型の利点
1.金型が変形しない
2.脱型作業中の温度低下が少ない
5.質疑応答(事前に個別質問を受け付けます)
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。