受講可能な形式
趣旨
塗布膜の乾燥機構の解明は、半導体プロセス工学におけるレジスト塗布工程をはじめとして様々な工学等の分野で求められている重要な課題である。塗布膜の乾燥においては 、例えば乾燥後の膜厚分布が均一になることが求められるが、多くの場合、膜厚分布が均一にならず、また乾燥条件によって膜厚分布が変化することが経験的に知られていた。均一な乾燥後の膜厚分布を得るためには、塗布膜の乾燥過程の機構を解明することがまず必要で、その解明を経て、必要な制御を系に施すことにより、均一な乾燥後の膜厚分布を得るという目標へ近づくことになる。均質な膜分布を得る場合も同様である。また、乾燥後の様々な欠陥を克服する際にも、同様のプロセスが必要となる。
本講演では、塗布膜の乾燥工程の機構を解明するにあたり必要となる物理学的知識、考え方の講義から始めて、それらを基にした上記工程のモデル化の実際、およびその数値シミュレーションの実際を概説するとともに、これに基づいて様々な塗布膜不具合の原因を物理学的に考察する。そして、膜乾燥における様々な欠陥、問題の克服に向けて考察する。
この講演が、今後参加者が実際に扱う系の乾燥過程の理解および乾燥後の欠陥対策のヒントとなることを目指す。
受講対象者
日時 | 2016年2月18日10:30~16:30 |
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講師 | 藤田保健衛生大学 医学部 数学 准教授 鏡 裕行 |
講師略歴 | |
受講料 | 1名46,440円(税込(消費税8%)、資料・昼食付) *1社2名以上同時申込の場合、1名につき35,640円 *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。 |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | 情報機構 |
配布方法 | |
お申込み |
プログラム
1.塗布膜の乾燥工程の概要と課題
2.液体の理論
2-1 液体の一般理論
2-2 液体の理論のモデルへの導入のポイント
3.溶液の理論
3-1 溶液の一般論
3-2 高分子溶液の特徴
3-3 溶液の理論のモデルへの導入のポイント
4.表面・界面の理論
4-1 表面張力
4-2 界面のぬれ
4-3 界面のゆらぎ
4-4 表面・界面の理論のモデルへの導入のポイント
5.溶媒の蒸発速度の理論
6.溶液中の溶質・溶媒の動力学
6-1 拡散方程式
6-2 流体方程式
6-3 揮発中という非平衡状態での動力学
7.平坦な基板上に塗布された高分子溶液の揮発過程
7-1 最もシンプルなモデル化
7-2 シンプルなモデルの改良
7-3 精密なモデル
7-4 数値シミュレーション結果の例
8.シミュレーション技術
8-1 拡散方程式の解法
8-2 流体方程式の解法
9.実験によるモデルの検証
10.モデルの発展
10-1 3次元モデル
10-2 溶質の種類が複数ある場合
10-3 溶媒の種類が複数ある場合
10-4 具体的な現象へのモデルの応用
(様々なムラ等)
11.膜厚制御の実際、今後
11-1 様々なムラ等の制御の例
11-2 端部の凹凸の制御の例1:温度管理
11-3 端部の凹凸の制御の例2:気圧管理
11-4 端部の凹凸の制御の例3:濃度管理
<質疑応答>
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。