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実務で使える異種材料接着と接着技術の基礎

~接着剤の選定方法から設計・評価まで~

ゴムタイムス社

受講可能な形式

趣旨

 自動車/航空機/鉄道車両などの軽量化、電気電子機器の小型・薄型化といったニーズから、接着剤への注目度が再び高まってきています。その理由は、接着剤を使えば(1)異種材料の接合が可能で比重のより軽い素材への転換が容易になる、(2)面で接合できるので点接合の場合よりも接合対象の剛性を高められる、(3)高剛性化によるゆとり分を接合対象の薄肉化に振り向けられる、(4)微小な部品や薄い部品でも接合できシールとしての機能も持たせられる、などの利点を得られるからです。

 本セミナーでは、接着剤を使う上で設計者が知っておきたい基礎知識や心得を解説します。具体的には、接着剤を使うメリットと接着のメカニズム、接着剤の種類と特徴、被着材の性質と表面処理、接着剤の選定方法と注意点、接着対象とする部品の設計における注意点、接着作業に当たっての注意点、および接着の評価方法について講義します。接着剤を使う上での基本を知りたい設計者にお薦めの講座です。

受講対象者

◎自動車、鉄道車両、電機・電子部品、船舶などの産業で、構造接着(強靭な接着)に携わっている方
◎異種材料の接着や構造接着に関する問題を抱えている方々

日時 2019年5月24日10:30~16:30
講師 若林一民(エーピーエスリサーチ 代表)
講師略歴
受講料 45000円/1人(税別)
会場 WEBセミナー(ZOOM)
主催会社 ゴムタイムス社
配布方法
お申込み このセミナーに申込む

プログラム

(1)接着剤を使うメリットと接着のメカニズム
 異種材接合、それによる軽量化、面接合による高剛性化、小型・薄型品への適用容易性、シール性など、接着剤による接合が持つ長所と短所を勉強します。その上で、接着理論の分解図、ぬれ、接触角と臨界表面張力、接着の仕事(WA)、接触角の測定、液体表面張力の測定、液体の表面張力と固体の臨界表面張力、溶解度パラメーター(SP値)、金属結合と水素結合、二次結合(ファンダーワールス力)、接着界面の強さ、一次結合(イオン結合、共有結合、配位結合)、力学的な接着効果、接着剤の凝集力、接着の阻害因子、接着の破壊など、接着のメカニズムを知る上で重要な項目について学びます。
(1.1) 接着・接着剤とは、その位置づけは
(1.2) 接着の長所・短所
(1.3) 接着理論の分解図
(1.4) ぬれと接触角、液体の表面張力
(1.5) 接着の仕事
(1.6) 溶解度パラメーターとは
(1.7) 接着界面の強さ
(1.8) 金属結合と水素結合
(1.9) 接着剤と被着材面の分子同士の結合
(1.10) 二次結合(ファン・デル・ワールス力)とは
(1.11) 力学的な接着効果(アンカー効果)
(1.12) 接着の破壊とその評価

(2)接着剤の種類と特徴
 接着剤にはどんなものがあるのか、接着剤の特徴を現す特性にはどのようなものがあり、それぞれの接着剤でどう違うのか、など接着剤の種類と特徴について学習します。
(2.1) 接着剤の分類
1 主成分による分類
2 接着強さによる分類と接着剤の特性
3 接着剤のコンセプトによる分類
4 機能性接着剤の種類
5 短時間接着剤の種類

(3)被着材の性質と表面処理
 接着の対象になる主な被着材(金属、ゴム、プラスチック、ガラス、セラミックスなど)について、表面状態や被着材そのものの性質などを勉強します。さらに、被着材の表面処理について学習します。
(3.1) 被着材の性質を知る
  1 金属
2 プラスチック
3 ゴム
4 ガラス&セラミックス
5 木材
(3.2) 被着材の表面処理
  1 表面処理の目的
  2 被着材表面の異物
  3 表面処理の工法
  4 金属の表面処理
  5 プラスチックの表面処理
  6 プライマーによる表面処理
  7 ゴムの表面処理
  8 表面処理効果の判定

(4)接着剤の選定方法と注意点 ~接着剤接合の設計
 接着剤を選定する際には何に注目すればいいのか、選定のための全体像を明らかにした上で、それぞれの注目点ごとに詳細を学びます。具体的には、外部応力の種類/方向/大きさ、接着対象が使われる環境、接着に使える設備、安全衛生、引火性、環境汚染などについて学習します。
(4.1) 正しい接着剤の選び方
 1 接着剤選定の基準
 2 接着剤の使用目的を知る。
 3 実用条件を知る。
 4 法規制を知る。
 5 接着作業の流れを知る。
 6 接着作業(塗布、乾燥、硬化)
(4.2) 接着作業
 1 接着作業のフローチャートと留意点
2 接着接合のトラブル発生要因
 3 接着剤の塗布
 4 接着剤の固化・硬化
  ・UVによる硬化
  ・高周波加熱による硬化
  ・マイクロ波加熱による硬化
  ・超音波加熱による硬化
(4.3) 接着接合部の設計
  1 接合部設計の基本
  2 接合部にかかる応力の基本形
  3 基本応力の特性
  4 せん断試験片の応力分布
  5 せん断試験片の板厚さ、ラップ長の影響
  6 接着層厚さの影響(スポットウエルドボンド)
  7 フィレットの効用
  8 接合部設計上の注意

(5) 接着の評価
 接着の評価はどのように行われるのであろうか。JIS(日本工業規格)、ISO(国際標準)に定められている試験方法を紹介しながら、どのような特徴があるのかを、丁寧に説明する。また耐久性の評価方法、非破壊検査についても言及する。
(5.1) 接着強さ試験方法
(5.2) 標準的な接着試験片
(5.3) 接着強さを低下させる要因
(5.4) 接着剤の硬化物で測定される代表的特性
(5.5) 接着・接着剤の信頼性評価
(5.6) 耐久性試験一覧
(5.7) 引張りせん断疲労試験
(5.8) くさび衝撃試験
(5.9) 非破壊検査

注意事項

セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。

Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。

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