~その基礎・測定法から機能性向上を目指す試みまで~
受講可能な形式
趣旨
電気を使用する全ての機器やデバイスにとって、必須の絶縁を担っているのは、多くの場合、有機高分子である。機器の小型化や高機能化に伴い、高分子絶縁体はますます苛酷な環境に置かれるようになって来ており、絶縁破壊や絶縁劣化の懸念が避けられない。
本セミナーでは、高分子絶縁材料の基礎―高分子の絶縁性の理解や絶縁材料の種類とその特徴、絶縁劣化・破壊のメカニズム等―を簡易に解説した後、高分子の絶縁特性を計測する上での注意点、いくつかの絶縁劣化診断法、絶縁破壊防止への対策(防止方法)に焦点を当てて分かり易く講義していきます。さらに、最近、世界的に大きな話題となっているナノコンポジット化による更なる機能性向上を目指す研究の現状についてもできるだけ詳しくお話しします。
受講対象者
日時 | 2016年4月19日10:30~16:30 |
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講師 | 早稲田大学 理工学術院 教授 大木 義路 【各種受賞】 西安交通大学 名誉教授 文部科学大臣表彰 科学技術賞 受賞 矢崎学術賞 受賞 米国電気電子学会フェロー、Forster記念賞、Whitehead記念賞、Ieda記念賞を受賞 電気学会フェロー、元副会長、規格調査会会長、業績賞、進歩賞、著作賞、論文賞(2回) 放電学会 元会長 マテリアルライフ学会「総説賞」受賞 など |
講師略歴 | |
受講料 | 非会員: 48,600円(税込) 会員: 46,170円(税込) 学校関係者: 48,600円(税込) |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | サイエンス&テクノロジー<S&T> |
配布方法 | |
お申込み |
プログラム
1.誘電体とは?
1.1 誘電体の重要性(誘電体の性質と用途)
~電気の時代にも、光の時代にも重要~
1.2 誘電体(絶縁体)のエネルギー構造
~導体、半導体、絶縁体のちがい~
1.3 誘電分極
~サブナノ秒から日以上まで~
2.高分子の導電性
2.1 電気絶縁材料としての高分子
~「高分子ならでは」の長所と欠点~
2.2 電気伝導の基礎理論
~イオン、電子、正孔はどのように運ばれるか~
2.3 高分子の導電性
~「高分子ならでは」の電気伝導~
3.絶縁破壊とその理論 ~絶縁破壊は何故起こる~
3.1 真性破壊
3.2 電子なだれ破壊
3.3 ツェナ破壊(回復性)
3.4 純熱的破壊
3.5 電気機械的破壊
3.6 部分放電劣化
3.7 電気トリー・水トリー
4.用途に応じた絶縁破壊や劣化の対策
4.1 電界集中の防止
~電界を下げる工夫~
4.2 電極配置/機器構造の最適化
~破壊を防ぐ知恵~
4.3 材料・材質の選択
~材料選択の考え方~
5.導電性・絶縁性の測定と劣化診断の技術
5.1 導電率 ~導電率を正しく測るためには~
・2端子法と3端子法
5.2 絶縁破壊電界
~簡単には測れない真の値~
・部分放電、沿面放電の防止
5.3 空間電荷
~最近可能となった空間電荷測定~
5.4 ケーブルの劣化診断の一手法 ~高感度なFDR法~
6.特殊環境下で使用される高分子絶縁材料
6.1 耐熱性 ~耐熱性に対する1つの視点~
6.2 耐放射線性 ~意外な材料が放射線に弱い~
7.高分子の電気絶縁特性の実例
汎用高分子からエンジニアリングプラスチック・スーパーエンプラまで
8.高分子ナノおよびナノ・マイクロコンポジットによる機能性向上の試み
8.1 高分子ナノおよびナノ・マイクロコンポジットとは?
8.2 我が国における高分子ナノおよびナノ・マイクロコンポジットの実用化例
8.3 高機能化を可能としたメカニズム
9.まとめ
□ 質疑応答 □
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。