~フィラーの基礎・分散モデル実験と実際・ナノコンポジット技術動向~
受講可能な形式
趣旨
フィラーとは樹脂(プラスチック)の機能を高めるために充填される無機または有機性の微粒子であり、ナノテクノロジーに不可欠なものである。ナノテクノロジーが重視されるに伴い、フィラーの粒子径はミリからサブミクロンそしてナノオーダーへと超微粒子化している。微粒子をプラスチックに高分散充填するには微粒子表面の電荷反発や立体障害を利用することが望ましいことは知られているが、モデル実験等の基礎実験に基づいて、パイロットスケールで樹脂へのフィラーの分散を検討した報告例は少ない。
本講座では微粒子の分散に関して基礎的知識のみならず、講師が経験した酸化チタン、酸化チタンナノ粒子、アルミナ、炭酸カルシウムなどの微粒子分散モデル実験、そしてその結果に基づいて行ったPET重合系での微粒子分散実験につき紹介する。さらに最近、研究が活発化してきたナノ炭素粒子やセルロースナノファイバーの分散、さらにそれらの機能性ナノコンポジット(力学特性、導電・伝熱関係)の研究開発動向、最近の特許・文献情報、及び筆者の最近の研究例を紹介する。
受講対象者
日時 | 2016年4月8日10:00~16:00 |
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講師 | 名古屋産業科学研究所 上席研究員 (名古屋大学名誉教授) 博士(工学) 小長谷 重次 【ご専門】 高分子化学、フィラー(微粒子)、機能性複合材料 【学協会等】 高分子学会、プラスチック成形加工学会、フィラー研究会、色材協会 【略歴等】 2005年東洋紡(株)退社、奈良先端科学美術大学院大学 産学連携研究員を経て2007年名古屋大学教授、2007年~2010年 フィラー研究会会長、2011年よりフィラー研究会顧問、2015年4月名古屋大学名誉教授かつ名古屋産業科学研究所 上席研究員として現在に至る |
講師略歴 | |
受講料 | 非会員: 49,980円(税込) 会員: 47,250円(税込) 学校関係者: 10,800円(税込) |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | R&D支援センター |
配布方法 | |
お申込み |
プログラム
1.フィラーの基礎
1-1.フィラーとは
1-1-1.フィラーの役割とその変遷
1-1-2.身のまわりのフィラー充填製品
1-2.フィラーの種類、大きさとその測定法
1-2-1.フィラーの種類
1-2-2.主なフィラーの製法
1-2-3.フィラー径と粒度分布の測定法
a)直接観察法(電子顕微鏡法)
b)間接観察(動的光散乱法ほか)
1-3.機能性フィラー
1-3-1.機能性フィラー概説
1-3-2.アンチブロッキング用フィラー技術
a)フィルム表面と滑り性
b)フィラー特性と透明性との関係
c)耐スクラッチ性付与
1-4.ナノフィラー(超微粒子)
1-4-1.ナノフィラーについて
1-4-2.ナノフィラー充填効果とそのメカニズム
2.フィラーの分散・凝集
2-1.フィラーの分散に関する基礎
2-1-1.フィラー分散スラリー調製方法
2-1-2.フィラー分散を支配する因子
2-1-3.ゼータ電位(フィラー表面電位)測定法
2-2.フィラー分散に関するモデル実験と実際
2-2-1.ポリエステル(PET)中での酸化チタンフィラー分散に関するモデル実験
2-2-3.PET重合系における酸化チタンフィラーの分散
2-3.高分散ナノフィラー充填PET開発の実際
2-3-1.酸化チタンナノ粒子充填PETの合成
2-3-2.アルミナナノ粒子充填PETの合成
3.最近話題のナノフィラーとそのナノコンポジット研究開発状況
3-1.ナノ炭素粒子
3-1-1.ナノ炭素粒子の種類と特性
3-1-2.ナノ炭素粒子の分散
3-1-3.ナノ炭素粒子充填コンポジット研究動向
3-1-4. 筆者のグラフェン関連研究の紹介
3-2.セルロースナノファイバー(CeNF)
3-2-1.CeNFとは
3-2-2.CeNFの分散
3-2-3.CeNF充填コンポジット研究動向
3-2-4. 筆者のCeNF関連研究の紹介
3-3. 上記ナノフィラーの課題
4.まとめ
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。