受講可能な形式
趣旨
熱可塑性エラストマー(TPE:Thermo Plastic Elastomers)とは,加熱すると溶融して再度成形加工が可能な柔らかい樹脂のことである。柔らかいが加熱しても溶融しないため再度成形することができないタイヤの様な架橋ゴムとは区分けされてきた。しかし最近ウレタン系、シリコン系,アクリル系等で架橋しても柔らかいエラストマーが登場してソフトマテリアルと総称することが多いため,本講座も従来の熱可塑性エラストマーだけでなくソフトマテリアルに広げてセミナーを進めたい。
自動車内装材・住宅・医療・食品包装材・農ビ等には,従来塩化ビニル樹脂が用いられてきた。塩化ビニル樹脂は可塑剤を混ぜて軟質塩ビ(塩化ビニール)にして用いられることが多い。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているフタル酸エステル(Phtalate)が主に用いられてきたが,最近ではフタル酸エステル以外の可塑剤に代替えが進み,更に塩化ビニル樹脂からポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーに代りつつある。表層にはDMF等を含んだ溶剤系表面処理剤が塗工されてきたが,最近では水系が多く用いられ,乾燥方法も熱風から赤外線に代わっている。さらに一部は紫外線,電子線架橋型になり,装置の低消費エネルギー・コンパクト・クリーン化が容易になっている。
またユーザーの要求は多様化しており(自分だけのもの),プリントロールで大量生産する時代は終わり,版レスで1個造りが可能なインクジェットプリンターや3Dプリンターに変化している。更に3Dインクジェットプリンターが登場して,UV硬化システムにもかかわらず柔らかいカラフルな凹凸模様が簡単に造形できるようになり、顧客の多様性に迅速に対応可能になった。更にIoTが進み情報分析(顧客ニーズ),注文,生産,品質保証,故障予知,修正の自動化が可能になりつつある。本講座では最新情報をもとにトレンドを明確にして,自動車産業を中心に熱可塑性エラストマーの応用と展開を解説する。
受講対象者
日時 | 2017年3月10日10:30~16:30 |
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講師 | TPEテクノロジー(株) 代表取締役 西一朗氏 |
講師略歴 | |
受講料 | 非会員: 49,980円(税込) 会員: 47,250円(税込) 学校関係者: 10,800円(税込) |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | R&D支援センター |
配布方法 | |
お申込み |
プログラム
1.はじめに
1-1 CES2016,drupa2016,K2016等の展示会情報をもとに日本の現状と未来を考える
1-2 人や環境への配慮
ReachやRoHS規制に呼応してOEKO-TEX等業界団体が自主規制を設けている。
塩素・臭素等のハロゲンフリー,VOC(ボラタルオーガニックコンパウンズ)
SVOC(セミボラタルオーガニックコンパウンズ)の低減,軽量化が進んでいる
2.熱可塑性エラストマー概要
2-1 オレフィン系(TPV、p-TPV、r-TPO)
2-2 スチレン系(SBS,SEBS,SIS,SE)
2-3 ウレタン系(TPU)
2-4 ポリエステル系(TPEE)
2-5 新規熱可塑性エラストマー(ソフトマテリアル含む)
3.自動車内装材(熱可塑性エラストマーの主用途である)
3-1 自動車・部品メーカーの動向
3-2 内装表皮材メーカーの動向:中国では塩ビからTPOへ急激にシフトしている
3-3 成形工法:射出成形,インモールドグレイニング,新成形工法
3-4 IP(インストルメントパネル),ドアパネルのTPO化
3-4-1 工程概要:配合 (安定剤処方等),フィルム成形(押出機、カレンダー成形),
表面活性化処理(コロナ、プラズマ),表面処理(表面処理剤と処理機の選定/水性化)
絞押(本革調の緻密な外観)
3-4-2 TPOへの電子線照射技術
3-4-3 電子線架橋ポリプロピレン発泡体製造技術
3-4-4 TPO以外のソフトマテリアル:PUスプレー
ウレタンビーズスラッシュ,PU-RIM,SEBS(射出成形)
3-5 座席(シートカバー)
3-5-1 本革:クロムなめし,臭い,重い,アニマルフリー
3-5-2 塩ビ系:カレンダー法,キャスティング法
3-5-3 ウレタン系
3-5-4 シリコン系
3-5-5 ブルージーンズ汚染改良技術
3-5-6 難燃化技術:アンチモンフリー
3-6 自動車外装材
3-6-1 塗装レス→フィルム化
3-6-2 チッピング傷防止フィルム 自己修復塗料
3-6-3 グラスラン
4.住宅
4-1 ソファ等の家具
4-2 軟質塩ビ壁紙はフリースに変化 印刷はインクジェットプリンターへ
4-3 床材:海外では主流のインレイド構造
5.医療
中国・EUではスチレン系エラストマー製輸血バッグやチューブが増加している
6.電器電子
塩素フリーが顕著に進んでいる
7.今後の展開
Robotics対応ソフトマテリアルとは?手の感触の再現
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。