受講可能な形式
趣旨
炭素繊維については、大別すると次の2つの用途が知られている。
1) 炭素繊維のもつ特性を活かした用途
2) 炭素繊維を強化材とする樹脂(CFRP)
本セミナーでは、まず炭素繊維そのものの特性を活かした用途開発に言及する。次に、急激な材料変革と市場拡大の段階にあるCFRPについて、特許情報をベースに紹介する。
CFRPといえば、少し前までは炭素繊維と熱硬化性樹脂との組み合わせであった。そこに、加工性向上を目指した熱可塑性樹脂との組み合わせ(CFRTP)が登場し、CFRPに大きな材料変革が起こった。
CFRPの用途拡大においては、航空機1次構造材への採用が始まり、自動車部材への採用も本格化しつつある。その際、レギュラートウ炭素繊維をベースとするCFRPについては、高品質の求められる航空機1次構造材や高級スポーツ用品、圧力容器・送電線心材などの産業用途に利用されている。一方、ラージトウ炭素繊維をベースとするCFRPについては、軽量・剛性のみが求められる風力発電ブレードや自動車部材などの用途に需要が拡大している。
炭素繊維およびCFRPの現状および技術開発動向については、特許情報をベースに紹介する。炭素繊維およびCFRPに関連する特許情報紹介においては、特許情報の検索方法についても言及する。
受講対象者
日時 | 2015年11月18日12:30~16:30 |
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講師 | 知財コンサルタント&アナリスト 菅田 正夫 |
講師略歴 | |
受講料 | 『CFRP特許 (11月18日)』のみのお申込みの場合 1名41,040円(税込(消費税8%)、資料付) *1社2名以上同時申込の場合、1名につき30,240円 『CFRP成形加工 (11月17日)』と合わせてお申込みの場合(同じ会社の違う方でも可。※二日目の参加者を備考欄に記載下さい。) 1名66,960円(税込(消費税8%)、資料・昼食(11/17のみ)付) *1社2名以上同時申込の場合、1名につき56,160円 ⇒割引は全ての受講者が両日参加の場合に限ります *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。 |
会場 | WEBセミナー(ZOOM) |
主催会社 | 情報機構 |
配布方法 | |
お申込み |
プログラム
1. はじめに
1.1 企業と知的財産
1.2 材料供給企業のもつべき知財発想
~上流系特許で、最終製品まで抑える工夫が必要に
2. 炭素繊維
2.1 炭素繊維の種類/特徴、そして取り組む企業
2.2 特許を交えた技術開発の歴史
2.3 炭素繊維製造企業とその製造能力
2.4 炭素繊維の需要予測
2.5 炭素繊維の用途
・燃料電池 ~ガス拡散性電極材
・環境浄化作用
~サイジング処理済み炭素繊維による水質浄化
~活性炭素繊維による大気浄化
3. 炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)
3.1 CFRP事業化企業が意識している用途
3.2 熱可塑性CFRP(炭素繊維強化熱可塑性樹脂:CFRTP)の登場
~帝人・東レ・三菱レイヨンの動向
4. 炭素繊維およびCFRPに関わる特許情報検索
4.1 基本はキーワード検索
~同義語・異表記を意識
4.2 特許分類の活用
~日本特許にはFタームが存在
4.3 大手3社の特許出願動向
~東レ・帝人+東邦レーヨン(東邦テナックス)・三菱レイヨンの取り組み状況
5. 特許情報に基づく、CFRPの用途開発動向
・娯楽用品
~高価格でも、趣味には需要あり
・飛行機
~2次構造材対応から、1次構造材対応へ
・医療用機器
~X線透過性の活用
・自動車
~車体軽量化で、燃費・CO2排出量規制に対応
・燃料電池車
~圧力タンクに採用
・風力発電
~比強度を活かし、ブレードに
・鉄道車輛
~軽量化の追求が台車にも
・海洋開発
~ライザーへの採用
・フライホイール・バッテリー
~比強度を活かす
・送電線の芯線
~軽量で、しかも送電量は2倍に(対鉄芯電線)
・3Dプリンタ
~炭素繊維含有フィラメントも登場
・土木建築
~耐震補強材
6. CFRPの課題が技術開発を推進
・化学品メーカのコンセプトカーつくり
~東レ・帝人・三菱レイヨン
~上流系特許で、最終製品まで抑える動きにまで発展するか?
・熱可塑性樹脂の採用で、量産性を向上(高コスト要因の低減)
~各社の見方には差異(東レ・帝人 v. 三菱レイヨン)
・CFRP普及に必要なリサイクル技術の確立
~対象は工程品から流通品へ
・自動車産業はCFRPの巨大市場
~自動車メーカの取り組み
~車つくりの簡素化をめざす動きも
~さらには、3Dプリンタの活用も
・自動車製造では接合技術がキー
~CFRPベースの車体では・・・
~異種材料との接合の高度化
7. まとめ
注意事項
セミナーの録画・撮影・テキストの複製は固くお断り致します。本セミナーはビデオ会議ツール「Zoom」を使ったライブ配信対応セミナーとなります。
Zoom(ズーム)のやり方などでお困りの方は、セミナー当日までに設定や使い方をご指導致します。