プラスチック関連団体インタビュー
日本バイオプラスチック協会 横尾真介さん
日本バイオプラスチック協会はバイオプラスチック(生分解性プラスチックとバイオマスプラスチック)の普及促進活動を行い、循環型社会の実現に向けて社会に貢献している。同協会の横尾真介事務局長に最近の取り組みなどについて尋ねた。
◆最近の活動を教えて下さい。
昨年度の国の施策でプラスチックに関する様々な方針が固まりました。たとえば、プラスチック資源循環戦略や海洋生分解性プラスチック普及・導入ロードマップ、バイオ戦略2019の発表などです。当協会は環境省のプラスチック資源循環戦略に基づくバイオプラスチック導入ロードマップ検討会に参加しています。さらに、経産省の海洋生分解性プラスチックの標準化に係る検討委員会にも積極的に関わっています。その他、今年7月からスタートしたプラスチック製買物袋の有料化につきましても意見を提案しました。
◆識別表示制度について教えてください。
当協会では、生分解性プラスチック製品「グリーンプラ(以下、GP)」とバイオマスプラスチック製品「バイオマスプラ(以下、BP)」の2つの識別表示制度を運営しています。
2000年からGP識別表示制度をスタートし、2006年にはBP識別表示制度をスタートさせました。そこで、生分解性プラスチックとバイオマスプラスチックの両方が揃ったことで、07年に日本バイオプラスチック協会と名前も変更しました。
プラスチック製品は外見だけでは、生分解性プラスチックの製品かバイオマスプラスチックの製品は判別することは困難です。識別表示制度はプラスチック製品の利用者がバイオマスプラスチックの製品か生分解性プラスチックの製品か容易に識別できるように当協会が定める基準に適合する製品を認証し、シンボルマークの使用を許可する制度です。
◆グリーンプラとバイオマスプラの認証を始めてからの反応は。
2020年6月現在で、認証している製品の数は、BPが約440件、GPが約220件です。GPの認証が先に始まったためGPの認証が多かったですが、最近の傾向として、BPの認証が増えています。レジ袋の有料化問題等で、包装材料やパッケージング(マイバッグ)をバイオマスプラスチック化する傾向が強まり、登録件数が一気に増えてきました。
GPも増えてきていますが、生分解性という特性を生かした用途開発がなかなか難しいことから大きく登録件数が伸びるということにはなっておりません。農林業用資材への拡大を期待しているところです。
◆海外のバイオプラスチックの状況について。
海外の状況はとくに、ヨーロッパはバイオマスプラスチックよりも生分解性プラスチックを求める傾向の方が強いです。ヨーロッパ、なかでもフランスやイタリアは生分解性プラスチックに積極的です。
*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。