研究者インタビュー 東京工業大学
東京工業大学 ・物質理工学院材料系助教 赤坂修一
振動・騒音対策材料を研究テーマで
材料と音響、振動分野をつなぐ役割担う
東京工業大学物質理工学院材料系助教の赤坂修一先生は高分子材料の力学的性質や音響学的性質などを中心に研究を進めており、とくに制振をはじめ防振、吸音、遮音に用いる振動・騒音対策材料に関するテーマの研究に力を入れています。赤坂先生に現在の研究テーマの特徴などについてお聞きしました。
──今までの経歴と研究テーマを教えてください
東京工業大学(以下、東工大)の工学部有機材料工学科で修士課程まで進み、製品開発に携わりたいと思いから横浜ゴム㈱に入社しました。横浜ゴムでは、タイヤ第二計部でトラック・バスタイヤの設計を担当し、実際にタイヤの金型や製品設計に従事していました。横浜ゴムに3年間務めた後、東京工業大学理工学研究科物質科学専攻の博士課程に入学しました。元々、東工大で卒業した研究室に戻り、3年間で工学博士を取りました。そこでは制振材料である、有機ハイブリッド材料の構造と制振、吸音特性の研究をしました。有機ハイブリッド材料とは簡単に言うと、有機高分子の中に有機低分子を多量に配合することによって、制振性を高める研究です。この有機ハイブリッドをテーマに研究しているときに、音の研究を始めました。
そして東工大の教授であり、指導教官であった住田雅夫先生(東京工業大学名誉教授)がベンチャー企業を立上げたため、私は大学で研究しながら、ベンチャー企業のサポートをしていました。住田先生はJST(科学技術振興機構)のプレベンチャー支援を受けており、開発した「有機高分子ハイブリッド制振材料」をもとに商品化しました。それが制振材「PIEZON」です。現在も製造・販売をしています。その後助教のポストが空き、現在に至ります。
──現在、研究しているテーマは
私の研究のベースとなっているのが高分子材料の力学物性です。そのなかでも振動・騒音対策材料を中心に研究しています。振動・騒音対策材料は
*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。